LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
【リアさんを傷付けるな!】
叫んだ瞬間、ぼくの目の前に巨大な影が立ちふさがった。
影は黒い翼を広げて、ぼくとともに、リアさんの核をかばう。
「イヌワシ!」
ぼくよりも大きな、写実的な姿をしたイヌワシが目の前にいた。
蓋の上にいたはずのぬいぐるみのイヌワシは姿を消している。
つまり、あれが、これか。
一瞬、めまいがした。
物理法則に反しすぎている。
ココロの中なんだから、何でもありかもしれないけれど。
いや、今はどうでもいい。問題は祥之助と黄帝珠だ。
祥之助は頭上の黄帝珠に触れた。
「もういいよ、黄帝珠。こいつらはどうせ死ぬんだ。放っておいて、早くボクらは脱出しよう」
【時間か。仕方あるまい】