LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


ふわりと、祥之助の体が宙に浮き上がった。


ぎらぎらする黄帝珠が、凄まじいチカラを放出している。


祥之助がぼくを見下ろしながら、天井を指差した。



「ボクたちは外に出るよ。まあ、一応、しばらくは待っていてやる。少々時間をオーバーしても、まともでいられるココロもあるしね。せいぜい頑張ってくれ」


【待て!】


「無駄無駄。黄帝珠が本気でチカラを使ってるんだよ。おまえの不完全な声が効くと思ってるのか?」



仰々しい装飾の椅子が浮き上がって、そのまま天井に吸い込まれた。


ここが魂珠の中心で、最下層だ。


外へと脱出するには、上向きに外壁を抜けていくイメージが必要なのだろうか。



祥之助と黄帝珠が、まもなく漆黒の天井に達する。


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