LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
祥之助が情けない声を上げた。
「痛いよ、黄帝珠。打ったところが、痛い」
黄帝珠が笑って、祥之助をなぐさめた。
【痛いか、祥之助よ。そうか。ならば、その痛む体、放棄してみるか?】
「え?」
【その体を我が支配下に寄越せ】
「ちょ、ちょっと待て、黄帝珠! 約束が違う! きみは、ボクをサポートするだけって言ったじゃないか。
ボクの心の弱いところを励ましてくれる、心の空虚な部分にきみがチカラを注入してくれる。そういう約束だ。体を譲るなんて、そんなこと!」
【致し方なかろう? ここから脱出するには、より強いチカラが必要だ。我らがチカラを合わせることが肝要なのだ】