LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「嘘だ、やめてくれ……ボクは正式な預かり手ではないから特別なチカラなんてないんだって、黄帝珠、きみがそう言ったんだぞ」
【さよう。ゆえに我がチカラを貸してやると、確かに言うた。しかれども、我が今、必要としておるのは、何も特別なチカラではない。
祥之助よ、おぬしの生命力、使わせてもらうぞ!】
黄帝珠が強烈に発光する。光の触手が祥之助へと伸びる。
祥之助が頭を押さえて悲鳴を上げた。
ぼくは顔をしかめた。
黄帝珠のチカラが脳に入り込んだときの強烈な不快感を思い出す。
冷たくて、おぞましかった。
悲鳴は、あっという間に止んだ。
祥之助が立ち上がる。笑っている。
両眼が、今までとは比べ物にならないほどハッキリと、黄金色に輝いている。
光る両眼に照らされて、華やかな顔立ちに異様で濃厚な陰影が描かれた。