LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


ざらざらとした哄笑が響いた。



【名案を思い付いたぞ、玄武! おぬしのその姿を寄越すがよい】


「何を言ってるんですか?」


【取引に応ずれば、我がチカラによっておぬしを外に出してやる。察するに、おぬしの生命力のほうが祥之助より豊富だ。

迷宮の主も、おぬしの脱出を阻むことはあるまい。さあ、体を寄越せ!】


「気色悪い案を、よくぞ次々と思い付きますね。ぼくの肉体も精神も、ぼくのものだ。

そうそう、ぼくの能力もね。さっさと返してもらいますよ。きみのチカラの影響は、きみを砕けば可逆でしょう?」



――むろん可逆だ。



ぼくの胸元で、玄獣珠が告げた。



――預かり手よ、やれ。


――黄帝珠を破壊すれば、事は解決する。


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