LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


黄帝珠を中心に、破壊の波動が吹き荒れる。


揺れに耐えかねて、ぼくは膝を突いた。



「どこまで根性の腐った石ころなんだ!」



色とりどりの小さな光が、波動に撃ち落とされる。


床も壁も天井も、ビシビシと激しくひび割れを起こした。



すきま風が吹き込んでくる。


乾いて冷たい風だ。


哀しい、と鳴りながら、ひびの割れ目から風が吹いている。



「哀しい、ですか」



静かな風だ。



自分の身に降りかかる苦しみにも、まっすぐな怒りの涙を流してきた。


そんなリアさんの哀しみって、何だろう?



【結局、ぼくにも見せてくれないんですね。ココロの奥底で、独りきりで、何に哀しんでいるのか。

呼び掛けているのに、どうして眠り続けているのか。あなたの孤独が、ぼくには寂しい】



思念がこぼれた。


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