LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―

「変わり者の大秀才が、どうしたのよ?」



「海牙くん」



リアさんの声に呼ばれて、ハッと跳ね起きた。


まわりを見渡す。


カフェレストランTOPAZの気取った内装。


脱出できたんだ。



みんな、まだ倒れている。


唯一、起き上がっているのは、赤いドレスを着たリアさんだった。



立った瞬間、軽いめまいがした。


どうにか踏ん張って、視界の揺れが落ち着いてから、リアさんに駆け寄る。



「体に異常はありませんか?」


「わたしは大丈夫」


「でも、タイムリミットが」


「お坊ちゃま基準で測らないでもらいたいわ。わたしはそんなに軟弱じゃないの」



リアさんは身軽な動作で、寝かされていた台から下りた。


改めて見ると、すごいドレスだ。


肩は全開で、胸元もきわどい。


マーメイドラインのすそは長いけれど、スリットが深くて、太ももまで見える。


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