LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
ざらざらとした呻き声が聞こえた。
【こ、ここは……現実世界か。せっかく手に入れた肉体的自由が……】
黄帝珠が、祥之助の頭のそばに、四つに割れた姿で転がっている。
チカチカと発光するものの、浮かび上がるのがままならないらしい。
祥之助はまだ意識が戻っていない。
ぼくは笑みをこしらえて、黄帝珠に歩み寄った。
「くたばりぞこないの鉱物が、一人前に気絶していたんですか? 予告しましたよね。後で徹底的に対処する、と。今がそのときですよ」
割れた破片の四つをまとめて蹴り飛ばして、祥之助から引き離す。
逃げ出そうとしてフラフラと浮かび上がるところを、ぼくと煥くんで蹴落とした。