LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
大学二年生にして、物理学界で頭角を現し始めている。
十年に一度の世界的才能、なんて言われるらしい。
黙っていれば、とんでもないほどのイケメンだけど、口を開けば、たちどころに変人だと露見する。
しかも、自覚的に変人を演出しているんだから、どうしようもない。
生意気、毒舌、皮肉屋。でも、発言は全部、正確もしくは最適。
大学や研究会での大立ち回りを聞くたびに、わたしは呆れて笑ってしまう。
敵も多いみたいだけど、間違った理論を前にすると、おとなしくなんてしていられないのよね。
そんな阿里海牙の誕生日は、なんとクリスマスイヴ。
ロマンチックなイベントなんて興味もない、みたいな看板を掛けているというのに、ちょっと皮肉だ。