LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


今日のディナーは、カジュアルな創作フレンチだった。


クリスマス限定のコースに、乾杯は口当たりの甘いワイン。



実は、これが海牙くんの初めてのお酒だった。


象牙色の肌は、パッと朱に染まった。


いきなりたくさん飲ませないほうがよさそうだと思った。


食事を味わうためにワインは最初の一口だけにして、帰ってから改めて乾杯することを提案した。



そして、整然と散らかった海牙くんの部屋で、帰りがけに買ったスパークリングワインを開けた。


薄々予想していたとおり、海牙くんは、小さなワイングラス半分であえなくダウン。



「目が回る……三半規管がおかしい」


「おーい、大丈夫? 気持ち悪いわけではないのね?」



今、わたしはベッドに腰掛けて、海牙くんはわたしの膝枕に頭を預けている。


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