LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


初めて愛し合ったのは、ちょうど二年前。


海牙くんの誕生日で、クリスマスイヴの夜だった。



行きつけのバーの話や、高校時代のちょっとした流行りのこと。


何気ないつもりで話していたら、海牙くんが表情を消した。


わたしをベッドの上に追い詰めて、一言。



「今夜はぼくを子ども扱いしないでほしいって、言ったはずです」



切羽詰まって燃える目をした彼は、少年ではなかった。


大人の男の色気に満ちていた。


この上なく熱っぽい夜が訪れて、溺れる、という言葉の意味をわたしは知った。



海牙くん、恥ずかしくて、きみに言ったことはないけどね。


カラダが恋に落ちたのは、あの夜が初めてだったの。


それまで誰と何をしても、誰に何をされても、このカラダが感じたことなんてなかったのに。


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