LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「リアさん……」
眠そうな声で、海牙くんがつぶやいた。
「どうしたの?」
「寝る」
「このまま寝ていいわよ。後で膝から下ろしてあげても、意外と気付かないでしょ?」
海牙くんは首を左右に振った。
「一緒に寝たい。ねえ」
出た、甘えん坊のおねだり。わたしはこれに弱い。
「仕方ないわね」
言ったとたん、男の力でしがみ付かれて、布団に引っ張り込まれる。
あーあ、スカートがしわになっちゃう。
わたしはいつも、海牙くんの左側。
海牙くんはわたしを抱きしめて、わたしの肩にキュッと顔を寄せる。
「こら、くすぐったいってば。ちょっと、もう、きみのシャツもしわになるわよ?」
聞こえている様子が、すでにない。
すやすやと、温かい寝息が首筋に触れている。