LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


すぐに既読になった。


同じタイミングでスマホをいじっているんだな、と思うと、妙に嬉しい。



〈こんばんは、連絡ありがとう!〉


〈リアさんが起きていてよかったです〉


〈まだ寝ないよ〉



リアさんは、仕事に必要な調べ物の最中だったらしい。



〈お仕事ですか?〉


〈美容師。つい昨日、友達のサロンで働くことになったの〉


〈調べ物が必要なんですか?〉


〈トレンドの調査とか〉


〈なるほど〉



住む世界が違う人だな、と感じた。


オシャレとかトレンドとか、どちらかというと、面倒くさい。


自分の容姿はそれなりに気にするけれど、ワンシーズンで賞味期限の切れる流行を追い続けるなんて時間がもったいない。


もっと普遍的に通用する美しさや格好よさがあるだろう、と思う。


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