LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
角を曲がって、コンビニが目に入った途端。
瑠偉がビクッと肩を震わせて足を止めた。
見張った目は、コンビニのほうへ向けられている。
ぼくもつられてそっちを見て、ギョッとした。
コンビニのガラス壁に背中を預けて座り込んだ女の子が三人。
近所の公立高校の制服を、かなり派手に着崩している。
緋炎関連の不良少女か。
でも、様子がおかしい。
「酔ってんのか? それとも、クスリ?」
「両方、違うと思いますよ」
「だよな。目を開けた状態で寝てるみたいな、あれだな。ついに人間まで現れたか」
四月に入って、この界隈に異変が起きていた。
異常な様子の動物が道端に座り込んでいる。
人間的な表現をするなら、放心状態。
まぶたは開いているけれど、目の前で手を振っても眼球が動かない。
脈拍や呼吸の状態は、まるで冬眠中みたいだった。