LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


瑠偉が吐き捨てた。



「何ていうか、胸クソ悪いんだよな。今回の件」


「ずいぶん熱くなってませんか?」


「勘が騒ぐんだよ。宝珠絡みのチカラが働いてんじゃないかって。海牙の玄獣珠がやたらと活性化してるし」


「玄獣珠の状態、瑠偉にもわかりますか」


「わかるさ。おれだって預かり手の端くれなんだ。辰珠《しんしゅ》は総統に差し上げちゃって、もう預かり手の責務を放棄したけどさ、

その代わりに高校入学以来、ずっと玄獣珠と海牙のおもりをしてんだ。変なことがありゃ、すぐ気付くよ」


「おもりって言い方はないでしょう。でも、瑠偉にも玄獣珠の様子がわかっているなら話が早い」



玄獣珠から伝わってくる鼓動のようなリズムは今、高鳴っていて速い。


以前、放心状態の動物を見たときもそうだった。


脚を投げ出して座り込んだ女の子たちに、玄獣珠が不快感を示している。逃げ出したがっている。


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