LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「ボクはおまえを超えなければならない。しょっちゅう学校を抜け出して遊び歩いてる程度のおまえなんかに負けていられない」
「超えるって、成績のことですか?」
「現時点では、阿里海牙、おまえが去年叩き出した全国模試の順位や点数のほうが、ボクよりも上だ。でも、これからボクが引っ繰り返してやる。
ボクは必ずおまえに勝たねばならない。なぜなら、ボクには背負うべきものがあるんだからな」
「背負うべきもの?」
「ボクには将来が約束されている。それはつまり、将来への責任がすでに発生していることを意味する。ボクは誰にも負けられない身分にあるんだ」
ぼくはかぶりを振った。
いちばん話が噛み合わないタイプの相手だ。
「きみと競うことに興味ありませんね。きみが勉強するのは、現在と将来の名誉のためなんですね?
ぼくは違う。ぼくはただ、知りたいことや学びたいことがあるから勉強するんです。成績なんて、その副産物に過ぎません」