LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「理仁くんに話したいことがあるんですが、しばらく待つ必要がありそうですね」
「話って、四獣珠のこと? 今この場に四つともがそろっているんでしょ。理仁がそう言ってた」
「リアさんは、四獣珠について、よくご存じなんですね?」
「そうね。海牙くんより知ってると思うわ。朱獣珠には振り回されてきたの」
含みのある口調だった。
それに続く説明があるかと思って、ぼくは黙って少し待った。
でも、リアさんは何も言わない。
結局、ぼくが再び口を開く。
「宝珠は本来、バラバラの場所で眠っているべき存在だと聞いています。預かり手は、宝珠に願いをかけることは禁忌で、ただ預かって次代に渡す。
ぼくは生まれつき、預かり手という厄介な役割を担っていますが、聞いていた以上の厄介事が起こりかけているようです」