LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
琥珀色の目をきらめかせて、煥くんは理仁くんをにらんだ。
「それで? 預かり手を集めて、何のつもりだ?」
「おれが集めたわけじゃないよ。白獣珠も言ってない? 『因果の天秤に、均衡を』ってさ」
煥くんは怪訝《けげん》そうに眉をひそめ、問いを重ねようとした。
そこでハッと身構える。
ぼくも同じ瞬間に、視界の端に異常をとらえた。
いつの間にそこにいたのか。
今朝、正門前のロータリーで見た高級車が止まっていた。
それを目印にするように、ぞろぞろと集まってくる姿がある。
十六人。全員、同世代だろう。