キミに…Kiss
最後まで期待しちゃって…あたしってばホントにバカみたい。
なにを期待してたの?
陸から、どんな言葉が出てくるのを待ってた?
「ねぇ、あたし…今 陸を見て、ちゃんと笑えてたかな?」
見上げた空に聞いてみる。
全部、見てたんでしょ?
見てたなら、陸の代わりになんか言ってよ?
ホントはね…あたし。
これからもずっと どうしようもないくらい陸のことが好きだと思う。
でも、陸を好きでいることが 今は苦しくてたまらないの。
陸に好きな人がいて、その人も陸のことが好きで
それで陸が笑ってるなら、あたしは諦めるしかない。
陸のことが大好きだから
自分でサヨナラを決めた日──・・・
「っぅ…っぅ…グスッ」
零れ落ちそうな涙をこらえて見上げた空は、あたしの哀しい気持ちを全部包み込むかのように…高く青くどこまでも澄み渡っていた。