キミに…Kiss

「はぁ……」


でも最後は陸に強く言いきられ、家まで送ってもらうことになってしまった。


今日の陸は、いつにも増して意味がわかんないな。


バスの中でだって、吊革を持ち 陸は黙ったままだった。


あたしは何度も窓に映る…その横顔を見ていた。



陸…彼女がいるんだよね?



なのに、なんで あの時『……勝手なこと言ってんな』なんて言ったの?


手を伸ばしたら、すぐ陸に触れることができるくらい今近くにいるのに聞きたいことも聞けなくて、どうしたらいいのか…わからなくなるばっかり。



もう陸のことは諦めようって、そう決めたのに。

< 128 / 321 >

この作品をシェア

pagetop