キミに…Kiss

「…えっ」


陸の声にハッとして、俯いていた顔を上げると家の前だった。


もう着いちゃったんだ。


もっともっと陸と一緒に歩いていたいのに。


願いとは反対に時間はあっと言う間に過ぎていく。


「陸、どうもありがと」


「別に。じゃあな」


「う…うん。気をつけて帰ってね」


あたしのバカ、バカッ!


どうして聞きたいことを聞かなかったのよ。


そう思っているうちにも、陸の後ろ姿がどんどん小さくなっていく。



陸、お願いだから…こっちを向いて!!

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