キミに…Kiss

その願いが 神様に届いたのか──・・・


「なぁ…」


陸がこっちを振り向き、またこっちに走って戻って来てくれた。


「なっ、なに?」


でも陸は視線を伏せて喋らないままで。


「陸、どうしたの?」


陸の言葉を待っている間、2人の前を何台も車が通り過ぎて行く。


「……あのさ」


大きなダンプカーが目の前を走り過ぎようとした瞬間、陸が重たい口を開いた。


「前みたいにしてろよ」


「なんのこと?」


「ウザいお前でいろって言ってんだよ」

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