キミに…Kiss
「その子…以前、あたしと陸が一緒にいるところを見たみたいで、あたしを陸の彼女だと思ってたみたい。それで陸を傷つけたら絶対に許さないって…あたしに泣きながら怒って言ってきたの。翔と一緒にいただけなんだけど、なんか勘違いしたみたい」
「…………」
「正直に言うと…あたしは陸のことを大事に想ってるけど、その子には全然叶わないと思う。その子が言ってたよ」
「なんて……」
「あたしは陸だけをいつだって見てるって──・・・」
それを黙って聞きながら
ホントはかなりショックはずなのに、俺は別のことが気になっていた。
「陸のすぐ側に、陸だけをいつも1番に想ってる子がいるんだよ」
今、美華を見ているのに頭に思い浮ぶのは、俺を見てバカみたいに笑う…アイツの顔だった。
「フフッ。今 陸は誰のことを考えてる?ホントはもう自分でもわかってるんじゃない?」