キミに…Kiss
──────────・・・



「うわぁ~なにこれ?」


翌朝、鏡に映った自分は“最悪”の文字がピッタリな顔だった。


瞼に冷たいタオルをあててみても、いっこうに回復の見込みナシで。


そんな日に限って、朝から部活あってサボれないときた。


「ついてないなぁ…」


その後、ドレッサーの前で何分も時間をかけて、瞼(まぶた)の腫れをごまかすため、いつもの倍近くマスカラを重ねて塗った。


だけど、どんなにマスカラで泣きはらした瞼を隠そうとしたって…気持ちと同じで嘘がつけるはずがない。


「どうして、あんなことを言っちゃったんだろう?」


『陸を傷つけたら、絶対に許さない…』なんて


あたしが言うことじゃないよね?


それぐらい分かってるんだけど、どうしても言わずにはいられなかった。
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