キミに…Kiss

俺は無意識のうちに掴んでいた。


「キャッ!なっ、なに!?」


「…………」


聞きたいのは…俺の方だし。


てか、なんで…俺、コイツの手を掴んでんだよ?


慌てて手をすぐに離したものの、そんな俺を見て、龍二が耳元でクスッと笑う。


「はーん。そういうことかぁ…」


「はっ?」


「お前でもするんだな?」


なにやら嬉しそうな表情を見せる龍二。


俺の顔をマジマジと見て、こう言った。


「ヤ・キ・モ・チだよ。心配しなくても愛理ちゃんのことは諦めてるって!」


「はっ!?なに言ってんだよ」


「あっ、そうだ。思い出した。オレ、シン達と約束があったんだ。愛理ちゃん、残念だけどオレ先に帰るわ」
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