キミに…Kiss
「ビックリした。どうしたの?」
校門の塀にもたれて陸が立っていた。
「……べつに」
「最近…陸、『べつに…』とか…そればっかだよ」
「……そうか?」
「クスッ。そうだよ。でも嬉しいな。あたしを待ってくれてたんでしょ?」
「…………」
おっ!否定しない。
へへ。やっぱりまた顔がニヤけちゃう。
「素直じゃないんだからっ!」
ポケットに手を入れてる長い腕に自分の腕を絡ませた。
え…?
陸の腕がすっごく冷たい。
いつからあたしを待ってたの?
「なぁ?ちょっと時間あるか?」