キミに…Kiss

そして息を切らしながら、急な坂を登って15分程歩いたところで──・・・


「はぁ…はぁ…やっと着いた!こんな所になにがあるの?」


「……顔、上げてみろよ」


「えっ?わぁ~すごい!」


その瞬間、思わず息を飲み込んだ。


そこは見晴らしのいい坂の上にある小さな公園で。



見上げた空には…満天の星たちが輝いていた。


こんな都会で、こんな星がいっぱい見える場所があるなんて全然知らなかった。


「陸、これをあたしに見せたかったの?」


そう言ったら なにも答えなくなっちゃった陸。


その陸の真似をし…あたしも黙って、隣にある大きな手を握った。


すると、その何倍もの力で強く陸が手を握り返してきたと同時に…


「……陸?」


もう片方の腕であたしを抱き寄せた。
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