キミに…Kiss

えっ…?


今、陸がなんかボソッと言ったような気がしたけど。


「ねぇ?なにか言った?」


そう聞くと陸は、一瞬…間を置いてこう言った。


「……なんでもねぇよ」


その後、あたしの肩からゆっくりと顔を離して、長い腕を急に夜空に向けて上げると大きく背のびをする。


それからあたしの目を陸が見つめた。



「なぁ…24日、どこに行きたいんだよ?」


「えっ!あたしの行きたい場所に連れてってくれるの?」


「……約束だからな」

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