キミに…Kiss

「うわぁ~どうしよう。えーと水族館でしょ。それに定番の遊園地でしょ!それにまた陸とショッピングもしたいし」


嬉しさ100倍のあたしは、陸と行きたいところが出てきて止まらなくなっていた。


だから、こっちまで切なくなったさっきの陸の行動を


一瞬にして見逃しちゃったんだ。



あの時、あたしがちゃんと気づいていたら──・・・


「調子に乗ってんな!」


「イタッ!」


すかさず、陸のデコピンが久しぶりに飛んできた。


「そんなにいっぱい行ける訳ねぇだろ?」


「だってぇ~っ!」


「1つに決めれねぇんだったら…行くのやめるか?」


「それは絶対にダメ!じゃあ遊園地でいいから!」


慌てるあたしを見て、その時、陸が見せたのは何日か振りの笑顔だった。


「約束を破ったら一生お前に恨まれそうだしな。その日1日、お前にしっかり付き合ってやるよ!」
< 246 / 321 >

この作品をシェア

pagetop