キミに…Kiss
「ちらかってるけど…どうぞ」
「ああ。突然…すまない」
部屋に散乱している荷物を父親が黙って見つめている。
どうして愛理の父親が俺の家に来たんだ?
驚きを隠せないまま、俺も父親の正面に座った。
しばらく耐えがたい沈黙が2人を包む。
「どこかに行くのか?」
その沈黙を破ったのは父親の方だった。
「…………」
誰が見てもわかる。
ダンボールの箱がいっぱいある部屋の中。
俺はなにも答えられなかった。