キミに…Kiss
・キミの背中
【 愛理:side 】
───トントンッ
「いつまで部屋に閉じこもってるつもり?ご飯も食べないで……」
廊下から聞こえるママの怒っているようで、心から心配している声。
「ひっ…ひっ…グスッ…」
陸に別れを告げられてから、完全に止まってしまったあたしの時間。
年が明けてからも、ずっとベッドの上で布団をかぶって…ただ泣いていた。
「……り…く」
その中で大好きな人の名前を何度も呼ぶ。
それだけで、胸がちぎれそうに痛くて。
陸が側にいてくれなきゃ…。
寂しくて悲しくて、あたし…どこかに消えちゃいそうだよ。