キミに…Kiss
陸専用の着信音も忘れ…ディスプレイに映し出された文字も確認せず、急いで電話に出ていた。
それくらい今のあたしには陸のことしか頭にない。
でも、一瞬にして希望は消え去った。
『愛理、あんた知ってたの!?」
電話の相手は興奮ぎみに話すさっちゃんだった。
『……さっちゃんかぁ』
『さっちゃんかぁ…なんてノンキに言ってる場合じゃないよ!陸くんがアメリカに行ったってホント!?』
『……え』
『まさか…愛理、なにも知らなかったとか?』