キミに…Kiss
「ヘヘっ」
俺の顔を見てご機嫌な表情を見せているヤツの名前は
早川 愛理(はやかわ あいり)
コイツに幼稚園の時に目をつけられ以来、静かだった俺の人生は大げさかもしんねぇけど変わったって言えるかもしれない。
「陸、どうしたの?なんか考えごとしてる?」
「龍ニ、遅れるとコーチがうるさいから急ぐぞ!」
「おっ、おい!愛理ちゃんは無視かよ!」
「……ほっとけ」
どんなに俺が機嫌の悪い顔をしても、シカトをしても
このバカ女には今のところ…全然効果はナシ。
いつになったら、コイツから解放されるんだ?
この時の俺はコイツの顔を見るたび、そんなことばかり考えていた。