キミに…Kiss

「あっ!2人が歩き出した。どうする?」


呆然とその姿を見ていると、突然2人がどこかに向かって歩き出した。


「2人を尾行しようっ!」


「えっ!?」


後をつけることが悪いことってくらい、あたしにだってわかってる。


でも、このまま帰れないよ。


そんな想いでいっぱいになって、また龍ニくんのシャツの袖を掴み2人を追いかけた。


見ればみるほど…後ろ姿まで、なんだかお似合いな2人。


彼女の長いサラサラの髪の毛が風に弾むように揺れて、あたしの目に眩しく映る。



時折、背が高い陸の顔を見上げて話す彼女に、陸も白い歯を見せて微笑んでいて──・・・

< 43 / 321 >

この作品をシェア

pagetop