キミに…Kiss
「あっ!2人が歩き出した。どうする?」
呆然とその姿を見ていると、突然2人がどこかに向かって歩き出した。
「2人を尾行しようっ!」
「えっ!?」
後をつけることが悪いことってくらい、あたしにだってわかってる。
でも、このまま帰れないよ。
そんな想いでいっぱいになって、また龍ニくんのシャツの袖を掴み2人を追いかけた。
見ればみるほど…後ろ姿まで、なんだかお似合いな2人。
彼女の長いサラサラの髪の毛が風に弾むように揺れて、あたしの目に眩しく映る。
時折、背が高い陸の顔を見上げて話す彼女に、陸も白い歯を見せて微笑んでいて──・・・