キミに…Kiss
「愛理ちゃん。だっ、大丈夫?」
「なにが?あっ、そうだ!龍ニくん、ゴメンね。あたし、用事があったんだった。バイバイ」
「あっ!待ってよ。愛理ちゃんっ!」
この時は…そう言うのが精一杯で。
あたしは陸たちとは反対方向に全力でダッシュした。
今まで陸のことなら、なんでも知りたくて…ウザがられるくらい聞いていたけど
知らないこともあった方がいいんだね?
そのことを教えてくれたのは、知らないうちに頬に流れていた涙で。
今まで陸になにを言われても泣いたことなんてなかったのに、好きな人の秘密はあたしに立ち直れないくらいの衝撃を与えた。
秘密は…ヒミツのままがいい。
そのことを初めて知った日──・・・