キミに…Kiss

気がついた時はもう──・・・


細い肩を強引に掴み、美華をカーペットの上に押し倒していた。


大きなキレ長の瞳が俺の下でゆらゆら…と揺れている。


それをじっと見つめていたら、やっと気がついた。


心の中でずっと引っかかっていたモノが。



それは アイツへの嫉妬と苛立ち。



今ここで全部、ぶっ壊してやったら──・・・



「さっき寂しいって言ったよな?だったら…アイツの代わりに俺がなってやるよ」


「ヤダッ!やめて」



その声もアイツの感触も全部。



俺の熱で塞いで忘れさせるように……。

< 55 / 321 >

この作品をシェア

pagetop