キミに…Kiss
「でも、そんなのなれるわけねぇし…。アイツの代わりになんて絶対になりたくねぇよ」
どんなに美華が俺に心の中を見せてくれても、聞かされるのはアイツへの想いばっかで。
美華の近くにいればいる程、自分じゃダメなんだって…気づかされるだけだった。
結局、男として見てもらえない俺は…アイツの代わりすらなれない。
「なんで あんな最低なヤツを選んだんだよ?美華は頭がよくても、男を見る目なさすぎじゃね?」
今さら、こんなことを言っても…どうにもならいってこともわかってる。
けど、今は止まらない。
振り返ると、涙ぐむ美華がこっちを見ていた。
「もうアイツのことを思って泣くなよ。俺だったら…お前を泣かせない」
アイツのスペアじゃなくて──・・・
「俺のことを男として見ろよ。それまで美華には会わないから」
「なんで そんなこと言うの?」