キミに…Kiss
こんな自分は はじめで元気がなくて重症だ。
「それで愛理は陸くんのことを諦めちゃうの?」
「えっ…」
「あたしなら…絶対に諦めない。ダイちゃんに好きな人ができても、どんなに辛くっても…好きでいることをやめない。やめられるはず…ないもん」
胸の前に回していたあたしの手を解き、ママがゆっくりとあたしの方に振り返った。
「今、苦しくても絶対に諦めたらダメ!諦めたら…そこで終わっちゃうよ」
「グスッ。でも……」
「陸くんのことが好きなんでしょ?」
「……うん」
「あたしだってダイちゃんといろいろあったんだよ。だけど、いつも諦められなかった。結局は“好き”でいっぱいでどうしようもないの…」
わがままなパパのことを今でも“ダイちゃん”と呼ぶママは、今もすごく幸せそうで──・・・