キミに…Kiss
さっきまで 笑ってた母親の顔に笑顔はなく、ものすごく真剣だった。
なんで…そんなこと聞くんだよ。
あんたに答える義務もねぇし。
「……帰ります」
「あっ!陸くん、待って!」
ひょんなことから、バカ女の必殺ワザの意味を知った日。
外に出ると真っ暗になっていて、俺は真っ先にポケットからケータイを取り出していた。
でも…メールも電話も…1つもなくて。
『……美…華…』
心の中で無意識にアイツの名前を呼んでいたんだ。