年 下 溺 愛 系 彼 氏 。
1章 春

始まりの日

いつもの朝が来て、





いつもの電車に乗って会社に行く。





いつもの仕事をして…って、そんな退屈な毎日が続いていくはずだった。





いつもの毎日が崩れていったのは、





4月のある日。





いつもの朝会の時だった。










.









.









「今日からここの一員になる、新入社員の中島くんだ。」





中年太りをした課長の隣には、

いかにも新入社員と言った装いの男性が。




「中島賢人です!!よろしくお願いします。」




あぁ…懐かしいなぁ、この感じ。

この、やる気に満ち溢れた感じ。

私もあったなぁ、新入社員の時。




「で…山田!」




…嫌な予感がする。




「はい?」

「中島くんの教育係、頼むな!」

「…え、」




嫌な予感、的中。

思いっきり、眉をしかめる。




「そんな嫌な顔するな、頼んだぞ!」

「…はい。」




人に頼まれると、嫌と言えない私の性格。

今はその性格を恨んだ。




「じゃ、今日も頑張ろう!!」




朝礼が終わって、その新入社員くんが私の元に来る。




「中島賢人です、よろしくお願いします!!」

「…山田琴美です。よろしく。」




まぁ、言われたからにはちゃんとしないと。

何かあってからじゃ遅いし。




「じゃあ、琴美先輩って呼びます!」

「…分かった。じゃあ、中島くんで。」




いきなり名前かぁ…

フレンドリーと取るべきか、

馴れ馴れしいと取るべきか…。





「えっ、賢人でいいですよ!」

「いや…大丈夫。」




会って数分の人を呼び捨てにするのはちょっと…。




「…じゃあ、仕事の説明とか施設の案内とかするね。着いてきて。」

「はい!」
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