Four you ~2+2=4=2×2~
第15話~弱虫だから~
「失礼します」
翌日。一時間目が始まる前に、職員室を訪ねる。
「尾張先生、いらっしゃいますか?」
「はい」
パソコンをいじっていた先生が、目線を上げた。…いつもはしない、少し気まずそうな顔だった。
「…どうしたの?」
先生も、何故尋ねてきたのかのおおよその理由は見当がついているようだった。
「…昨日のことなんですけど…その…」
やはり言うのがはばかられて、沈黙を作ってしまう。
「…あの時…何か用事でもあったんですか?」
「…」
先生が言いづらそうに唇をゆがめる。こんな先生、初めてだった。
「…ゴメン」
そして最初に出た言葉は、それだった。
「ちょっと…後にしてもらえないかな? ゆっくり話がしたいんだ。部活が終わったら、残っててもらえないかな?」
「…分かりました…」
「ゴメンね。僕も色々と用事があるから。失礼するよ」
先生の姿が職員室の中に消えて行く。長らく度の強いメガネを掛けていた人がメガネを取った時のようなもやもやした気持ちが、殺風景な学校の廊下の風景とともに、私の心を巣食っていった。
翌日。一時間目が始まる前に、職員室を訪ねる。
「尾張先生、いらっしゃいますか?」
「はい」
パソコンをいじっていた先生が、目線を上げた。…いつもはしない、少し気まずそうな顔だった。
「…どうしたの?」
先生も、何故尋ねてきたのかのおおよその理由は見当がついているようだった。
「…昨日のことなんですけど…その…」
やはり言うのがはばかられて、沈黙を作ってしまう。
「…あの時…何か用事でもあったんですか?」
「…」
先生が言いづらそうに唇をゆがめる。こんな先生、初めてだった。
「…ゴメン」
そして最初に出た言葉は、それだった。
「ちょっと…後にしてもらえないかな? ゆっくり話がしたいんだ。部活が終わったら、残っててもらえないかな?」
「…分かりました…」
「ゴメンね。僕も色々と用事があるから。失礼するよ」
先生の姿が職員室の中に消えて行く。長らく度の強いメガネを掛けていた人がメガネを取った時のようなもやもやした気持ちが、殺風景な学校の廊下の風景とともに、私の心を巣食っていった。