Four you ~2+2=4=2×2~
そんな調子だったから、授業中の記憶がまるでなかった。気がつけば私は、部室にいた。
今日の部活は、文化祭で引退することとなっていた三年生の先輩方の、いわば送別会のようなものだった。先輩を送り出し、新部長と新副部長を決める。よくある世代交代の儀式だ。
「え~っと…全員揃った、よね?」
耶色先輩が人数を確かめる。
「…じゃあ、最後の挨拶…って言い方も何か変だけど、今日でボク達三年生は部活が最後だから、挨拶したいと思います」
耶色先輩が頭を下げる。ランディ先輩も後に続いてお辞儀する。
「…二年生の子とは一年ちょっと一緒にいて、一年生の子とは二カ月くらいだけど…皆と一緒にいた時間は、とっても充実してて、濃くて、楽しい時間でした。だから、皆と出会ったのが、まるで昨日のことみたいで…」
先輩の少年のような目から、涙が一筋、こぼれた。
「…本当は、ずっと一緒に皆と部活して、もっと色んなことしてたかったんだけどっ…でもそういうわけにもいかないから…!」
耶色先輩が、見た目だけでなく心も少年のように純粋なのは、昨日の先輩の言葉からひしひしと感じていた。そんな純粋な人の涙は、それを見ている人の涙も誘う。頬に線が描かれるこそばゆさに似た感覚。それを感じて、私はちょっと笑顔になれた。
「あっ…ゴメンね、泣いちゃって…泣かないって決めてたのにね」
制服の袖が、涙をぬぐう。
「…ありがとね、皆! 先生も、ありがとうございました!」
本当は、もっとこみ上げてくるものがあるのかもしれない。それでも明るく振る舞っている先輩だから、一番素直に「ありがとう」と言われたような気がした。
「さてと…じゃあ副部長、あとはお願いっ!」
「OH、あんないいSPEECHの後は話しづらいネ…」
今日の部活は、文化祭で引退することとなっていた三年生の先輩方の、いわば送別会のようなものだった。先輩を送り出し、新部長と新副部長を決める。よくある世代交代の儀式だ。
「え~っと…全員揃った、よね?」
耶色先輩が人数を確かめる。
「…じゃあ、最後の挨拶…って言い方も何か変だけど、今日でボク達三年生は部活が最後だから、挨拶したいと思います」
耶色先輩が頭を下げる。ランディ先輩も後に続いてお辞儀する。
「…二年生の子とは一年ちょっと一緒にいて、一年生の子とは二カ月くらいだけど…皆と一緒にいた時間は、とっても充実してて、濃くて、楽しい時間でした。だから、皆と出会ったのが、まるで昨日のことみたいで…」
先輩の少年のような目から、涙が一筋、こぼれた。
「…本当は、ずっと一緒に皆と部活して、もっと色んなことしてたかったんだけどっ…でもそういうわけにもいかないから…!」
耶色先輩が、見た目だけでなく心も少年のように純粋なのは、昨日の先輩の言葉からひしひしと感じていた。そんな純粋な人の涙は、それを見ている人の涙も誘う。頬に線が描かれるこそばゆさに似た感覚。それを感じて、私はちょっと笑顔になれた。
「あっ…ゴメンね、泣いちゃって…泣かないって決めてたのにね」
制服の袖が、涙をぬぐう。
「…ありがとね、皆! 先生も、ありがとうございました!」
本当は、もっとこみ上げてくるものがあるのかもしれない。それでも明るく振る舞っている先輩だから、一番素直に「ありがとう」と言われたような気がした。
「さてと…じゃあ副部長、あとはお願いっ!」
「OH、あんないいSPEECHの後は話しづらいネ…」