Four you ～２＋２＝４＝２×２～

先生の言葉の真意を聞けないまま、そしてそれを他人に推測してもらうこともできないまま、また少しばかり日が過ぎた。

「…ふぅ…」

最後の一文字を打ち込み、大きく肩を回す。

「終わった～…」

小説が、完結した。

今回の小説は、特に疲れた。何らかのメッセージ性を持った小説を描くのが初めてだとは前にも言った気がするが、初めてのことをするのは、往々にしてかなりの労力を必要とする。

「あ、完結したの？」
「お疲れ～」

手塚姉妹がねぎらいの言葉をかける。

「おおきに、ありがと～。いや～、今回のはホンマ疲れたわ…」
「何だっけ？　フォー何とか…」
「『Four you ～２＋２＝４＝２×２』やで」
「そうそう、それ！　長いから覚えづらくて…」
「ウチもタイトル短くしようとは思ってんけど、どうにも短くできんくて、こんな感じになってもうてん。…あ、そうや」
「ん？」
「どうしたの、詩音？」
「二人とも、読んでもらってええかな？」
「読ませてくれるの？　私達に？」
「感想欲しいな～って思って」

感想が欲しかったわけじゃない…なんてことはないが、もっと別の目的が、そこにはあった。