Four you ~2+2=4=2×2~
「…何でですか…?」
先生の肩に顔を乗せたまま、聞いてみる。
「何でって?」
「何で…ウチのこと、好きになってくれたんですか…?」
「…何でだろうね…」
先生の体温をここまで直に感じられたのも初めてだった。夕日色の温かさが、柔らかく包む。
「…ゴメン、何でか分かんない。でも、その方がいいかもね」
「えっ?」
「理由が分かっちゃったら、そこしか見なくなっちゃうでしょ? でも理由が分かんないから、好きな人のことを全部見ていられる。好きな所を見るためには、全部を見るしかなくなっちゃうからね」
先生の手がほどかれる。
「…そうだ」
「どないしたんですか?」
「今から、作家さんに会いに行かない?」
「会いに行く…?」
「うん。『クリスタル』の作者さん」
「えっ…?」
冗談だと思った。が、それは先生の目を見るとすぐに、私の勝手な想像であることが分かった。
「…でも…どないするんですか?」
「実はね」
先生の手が私の手を握る。
「意外と近くにいることが分かったんだ。…行こう。僕達を引き合せてくれた、お礼だってしたいし」
先生の肩に顔を乗せたまま、聞いてみる。
「何でって?」
「何で…ウチのこと、好きになってくれたんですか…?」
「…何でだろうね…」
先生の体温をここまで直に感じられたのも初めてだった。夕日色の温かさが、柔らかく包む。
「…ゴメン、何でか分かんない。でも、その方がいいかもね」
「えっ?」
「理由が分かっちゃったら、そこしか見なくなっちゃうでしょ? でも理由が分かんないから、好きな人のことを全部見ていられる。好きな所を見るためには、全部を見るしかなくなっちゃうからね」
先生の手がほどかれる。
「…そうだ」
「どないしたんですか?」
「今から、作家さんに会いに行かない?」
「会いに行く…?」
「うん。『クリスタル』の作者さん」
「えっ…?」
冗談だと思った。が、それは先生の目を見るとすぐに、私の勝手な想像であることが分かった。
「…でも…どないするんですか?」
「実はね」
先生の手が私の手を握る。
「意外と近くにいることが分かったんだ。…行こう。僕達を引き合せてくれた、お礼だってしたいし」