Four you ~2+2=4=2×2~
「そっか…二人は恋仲やってんね…いや~、全然気づかんかったわ…」

だって、二人で一緒にいる所なんて見せたこともないし、話題にすら出したこともないし…。

「でも、ええの?」
「何がですか、先生?」
「確か、教員と生徒の恋愛って…アカンかったやろ?」

少し間が空いて、先生がうなずく。

「ええ…確かに規則ではそうなってます」

規則ではそうなっていなかったとしても、それは倫理的にダメな気がするが…規則で封じられてしまっていたことに、少なからずショックを受けたのはきっと先生も同じはずだ。

「…だから、ちょっと考えてみたんです」
「考えてみた?」
「はい。付き合うなんてことに、明確な基準はありません。だから、一緒にいてもいいんじゃないかなって」

先生の柔らかでまっすぐな目が向けられる。

「…そういうことにしても…いいかな…?」
「…はいっ!」

一緒にいられるなら。

乗り越えて行けるのなら。

断る理由なんて、どこにもない。

手塚姉妹は「厳しい」って言っていたけれど。

これで無事、恋人同士になれた。
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