Four you ~2+2=4=2×2~
「ほら、聖都も挨拶しろよ」
拭き終わった眼鏡をかけるなり、兄が背中を叩かれる。
「…全く…直都は先に進み過ぎるんだ…」
そんな弟に呆れながらも、兄はとりあえずの挨拶をこなした。
「…氷室聖都…氷室って呼ばれると面倒だから…聖都でいい…」
「じゃあ、オレも直都って呼んでくれ」
…違う。直都は物おじしないんじゃなくて、ただ心が少年なだけなのかもしれない…。
それから何気ない話をするうちに、私達の番になった。
食券を食堂のおばちゃんに出し、お盆を受け取る。料理ができるまで三分ほどなのも、学食のいい所だ、と、映奈が教えてくれた。
「日替わりA三、ラーメン塩と坦々!」
食券を見るなり、おばちゃんが厨房に的確な指示を出す。そして何気なく私達のほうを向き直した時に、おばちゃんの表情が変わった。
「…あれ? もしかして二人、双子なん?」
「はい、そうですけど…」
「いや~、双子の子なんて初めて見るから、びっくりしてもうて…ホンマによう似とるんやね~」
「まぁ、双子にも色々ありますからね。アタシ達みたいに似てるのもいれば、そこの二人みたいに似てないのもいます」
若奈が氷室兄弟を手で指すと、直都はどうも、という感じで頭を軽く下げ、聖都もそれに続いた。
…ここでもやはり、注目されているのは二組の双子だった。でも私はそんなことよりも、もっと驚いたことがあった。
この食堂のおばちゃんが、関西弁であることだ。
拭き終わった眼鏡をかけるなり、兄が背中を叩かれる。
「…全く…直都は先に進み過ぎるんだ…」
そんな弟に呆れながらも、兄はとりあえずの挨拶をこなした。
「…氷室聖都…氷室って呼ばれると面倒だから…聖都でいい…」
「じゃあ、オレも直都って呼んでくれ」
…違う。直都は物おじしないんじゃなくて、ただ心が少年なだけなのかもしれない…。
それから何気ない話をするうちに、私達の番になった。
食券を食堂のおばちゃんに出し、お盆を受け取る。料理ができるまで三分ほどなのも、学食のいい所だ、と、映奈が教えてくれた。
「日替わりA三、ラーメン塩と坦々!」
食券を見るなり、おばちゃんが厨房に的確な指示を出す。そして何気なく私達のほうを向き直した時に、おばちゃんの表情が変わった。
「…あれ? もしかして二人、双子なん?」
「はい、そうですけど…」
「いや~、双子の子なんて初めて見るから、びっくりしてもうて…ホンマによう似とるんやね~」
「まぁ、双子にも色々ありますからね。アタシ達みたいに似てるのもいれば、そこの二人みたいに似てないのもいます」
若奈が氷室兄弟を手で指すと、直都はどうも、という感じで頭を軽く下げ、聖都もそれに続いた。
…ここでもやはり、注目されているのは二組の双子だった。でも私はそんなことよりも、もっと驚いたことがあった。
この食堂のおばちゃんが、関西弁であることだ。