Four you ~2+2=4=2×2~
第4話~春遠からじ~
教室に戻ってから午後の授業が始まるまでは、十五分ほど時間があった。教室にはちらほらとクラスメートがいるばかり。…幸か不幸か、私が即席で考えついた計画を遂行するにはベストだった。
「これ…いつ食べようかな…」
「ん? 映奈、まだ食べてなかったん?」
「何か、タイミングなくしちゃって…」
話しながら映奈の席の近くに寄り、誰にもバレないように映奈のポケットからスマホを盗み出す。そしてそれを、映奈の机の中に入れる。これで準備完了だ。
「んっ…これ、固い…」
「開けようか?」
「ありがと、直都。助かるわ~」
「…何かおばちゃんっぽくなってない、若奈?」
「そう? そんなことないと思うけど…」
「…分からないでもない…」
「ちょっと、やめてよ~…」
アメの袋が開けづらかったのも幸いし、四人の目が私からそらされた。その間に私は自分のスマホを取り出し、メールを打つ。
メールはメアドを使わなくても電話番号でできるのはよく知られた話だが、実はその番号の前に「184」という番号をつけるとメールも非通知にできるというのはなかなか知られていない。
映奈の番号の前に「184」をつけ、メールを作成する。そして、メールを送信する。
「…ん?」
映奈の表情が変わる。ポケットにあるはずのスマホが机の中にあり、しかも少しこもった着信音と、何倍にも膨れ上がったバイブが鳴るから当然ではあるが。
「映奈、スマホ置いてきたん?」
何も知らないフリをして問いかける。おばちゃんに話しかけた時よりも何倍もの冷や汗を、内面でかく。
「これ…いつ食べようかな…」
「ん? 映奈、まだ食べてなかったん?」
「何か、タイミングなくしちゃって…」
話しながら映奈の席の近くに寄り、誰にもバレないように映奈のポケットからスマホを盗み出す。そしてそれを、映奈の机の中に入れる。これで準備完了だ。
「んっ…これ、固い…」
「開けようか?」
「ありがと、直都。助かるわ~」
「…何かおばちゃんっぽくなってない、若奈?」
「そう? そんなことないと思うけど…」
「…分からないでもない…」
「ちょっと、やめてよ~…」
アメの袋が開けづらかったのも幸いし、四人の目が私からそらされた。その間に私は自分のスマホを取り出し、メールを打つ。
メールはメアドを使わなくても電話番号でできるのはよく知られた話だが、実はその番号の前に「184」という番号をつけるとメールも非通知にできるというのはなかなか知られていない。
映奈の番号の前に「184」をつけ、メールを作成する。そして、メールを送信する。
「…ん?」
映奈の表情が変わる。ポケットにあるはずのスマホが机の中にあり、しかも少しこもった着信音と、何倍にも膨れ上がったバイブが鳴るから当然ではあるが。
「映奈、スマホ置いてきたん?」
何も知らないフリをして問いかける。おばちゃんに話しかけた時よりも何倍もの冷や汗を、内面でかく。