Four you ~2+2=4=2×2~
「失礼します」

保健室に入ると、気だるそうな顔で聖都が私達を見た。保健室の先生は少し席を外しているのだろうか、ここには私達と、ソファに座った聖都しかいなかった。

「…何だ…別に病院に運ばれたわけでもないのに…」
「…まぁ、それはそうなんだけど…直都が心配だって言うから、私達もついてきたの」
「体調を崩したことがないって…ホントなの?」
「…ああ…」

多くを語らない聖都の言葉だからこそ、にわかに真実味が増してきた。

「…だが今日は何かおかしい…いや…もっと言えば昨日からだ…」
「昨日から? だったら何で言わなかったんだよ?」

直都の言葉を、聖都は冷たくあしらう。

「…直都に言ったら事を大きくされそうだからな…」
「確かにせやな…」
「何だよ、揃いも揃って。心配じゃないのか?」

直都が膨れっ面をすると、聖都が立ち上がり、頭を掻く。

「…まあ…心配してもらうほどでもない…もう回復したから…先生が戻ってきたら教室に帰るつもりだ…」
「確かに、早めに戻った方がいいかもね…。授業スピード早いし…」
「しかも今日から部活だもんね~。あ~、アタシ何部にしよっかな~」
「…ん? 部活ってどういうことなん?」
「えっ? 詩音、聞いてなかった?」

いきなりそう言われても、何の情報も得ていないから質問するわけで…。

「部活は今日からだって、先生も言ってただろ? 入部届、書いておいたほうがいいんじゃないか?」

そういえば、そんなことを言っていたような気もする…。何部にしよう?
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