Four you ~2+2=4=2×2~
「ふぅ…」
夕食、入浴、宿題。やることが全部終わった私は、部屋にあるパソコンに向かう。
「ん? 何するの?」
「小説書かなアカンからな。書籍化してからも、ネットでのウチの小説を読んでくれてる人、ぎょうさんおるから」
サイトを広げ、ログインする。そして内容編集の画面に入ると、どこかスイッチが入ったような気分になる。
「…」
キーボードを打っていくと、聴覚をはじめとする様々な感覚が失われていく。頭の中にあるストーリーを書くので、いや、頭の中の世界で行動する人物を追いかけるので精いっぱいなのだ。
「…今日はひとまずこの辺にしとこか」
呟いてから時計を見ると、もう消灯時間までギリギリだった。
「詩音、すっごい集中してたね…」
「途中で先生が点呼取りに来てたの、知らないでしょ? 何回呼んでも返事しないから、アタシが代返しといた」
手塚姉妹はすでにベッドに入っており、もう寝る準備万端といった様子だった。
「そうやったん?」
「うん。…やっぱすごいよね、詩音は」
映奈が布団を抜け出し、眼をこすりながらカバンをまさぐる。
「何で?」
「ん~…何て言えばいいのか分からないけど…詩音って、すっごくいい昇華ができてると思うの」
「消化? まぁ、そんなに消化の悪いものは食べてないけど…」
「違う違う。『昇る』に『華』の昇華。…私だったら、こんなことがあったらどうかしてたと思う」
映奈がカバンから取り出したのは、またしても「ファントム」だった。
夕食、入浴、宿題。やることが全部終わった私は、部屋にあるパソコンに向かう。
「ん? 何するの?」
「小説書かなアカンからな。書籍化してからも、ネットでのウチの小説を読んでくれてる人、ぎょうさんおるから」
サイトを広げ、ログインする。そして内容編集の画面に入ると、どこかスイッチが入ったような気分になる。
「…」
キーボードを打っていくと、聴覚をはじめとする様々な感覚が失われていく。頭の中にあるストーリーを書くので、いや、頭の中の世界で行動する人物を追いかけるので精いっぱいなのだ。
「…今日はひとまずこの辺にしとこか」
呟いてから時計を見ると、もう消灯時間までギリギリだった。
「詩音、すっごい集中してたね…」
「途中で先生が点呼取りに来てたの、知らないでしょ? 何回呼んでも返事しないから、アタシが代返しといた」
手塚姉妹はすでにベッドに入っており、もう寝る準備万端といった様子だった。
「そうやったん?」
「うん。…やっぱすごいよね、詩音は」
映奈が布団を抜け出し、眼をこすりながらカバンをまさぐる。
「何で?」
「ん~…何て言えばいいのか分からないけど…詩音って、すっごくいい昇華ができてると思うの」
「消化? まぁ、そんなに消化の悪いものは食べてないけど…」
「違う違う。『昇る』に『華』の昇華。…私だったら、こんなことがあったらどうかしてたと思う」
映奈がカバンから取り出したのは、またしても「ファントム」だった。