Four you ~2+2=4=2×2~
「ん? 詩音ちゃん、これ何?」
「台本です! 昨日の夜、何とか完成させました!」
「嘘、ホントに!?」
耶色先輩の澄んだ眼が丸くなる。…つくづく少年みたいだな、耶色先輩は…。
「ありがとね、詩音ちゃん! これで今日から練習できるよ~」
「えへへ…お役にたてて、ホンマに光栄です」
「それにしても早いね…さすが作家先生」
「せやから何べんも言うてるやないですか、ウチはまだ『先生』って呼ばれるほどちゃうって」
「いいじゃん、そんなケチにならなくて。ボク達にとっては、詩音ちゃんは作家先生なんだから。…ホントに、すごいな~って思ってるんだよ?」
照れ隠しのつもりだったのに、耶色先輩は真に受けてしまったらしく、台本を廊下の机に置き、私の手まで握っていた。
「…あっ、そ、そろそろ授業始まってまうから、また部活でっ!」
予鈴すら鳴っていないのに、私は逃げるようにその場を後にした。だけど照れたり焦ったりする裏では、何かしらに対する期待があるんだろうか? その日は、やたらと時が過ぎるのが早かった。
「映奈、若奈! はよ部活行こう!」
「ちょ、ちょっと待って~」
「全く、どこにそんな体力有り余ってるの? 昨日あんなに頑張ってたのに…」
これも関西人の特技なんやで、という言葉は心の内に秘めておいた。
「…あれ?」
部室に入ると、見慣れない風景が広がっていた。
部室にいたのは…部活初日に先生のところに質問しに行っていた、結衣先輩一人だけだった。
「あっ…びっくりした? わたしが早く来てるから…」
失礼な話だけど、その通りという旨を伝える。すると結衣先輩は少しはにかんだ。
「今日は用事が特になかったから、早めに来たんだけど…ちょっと早すぎたみたい。わたし、時間音痴だから…」
…結衣先輩には、授業で分からない所を作らないで欲しい。苦笑いで願った。
「台本です! 昨日の夜、何とか完成させました!」
「嘘、ホントに!?」
耶色先輩の澄んだ眼が丸くなる。…つくづく少年みたいだな、耶色先輩は…。
「ありがとね、詩音ちゃん! これで今日から練習できるよ~」
「えへへ…お役にたてて、ホンマに光栄です」
「それにしても早いね…さすが作家先生」
「せやから何べんも言うてるやないですか、ウチはまだ『先生』って呼ばれるほどちゃうって」
「いいじゃん、そんなケチにならなくて。ボク達にとっては、詩音ちゃんは作家先生なんだから。…ホントに、すごいな~って思ってるんだよ?」
照れ隠しのつもりだったのに、耶色先輩は真に受けてしまったらしく、台本を廊下の机に置き、私の手まで握っていた。
「…あっ、そ、そろそろ授業始まってまうから、また部活でっ!」
予鈴すら鳴っていないのに、私は逃げるようにその場を後にした。だけど照れたり焦ったりする裏では、何かしらに対する期待があるんだろうか? その日は、やたらと時が過ぎるのが早かった。
「映奈、若奈! はよ部活行こう!」
「ちょ、ちょっと待って~」
「全く、どこにそんな体力有り余ってるの? 昨日あんなに頑張ってたのに…」
これも関西人の特技なんやで、という言葉は心の内に秘めておいた。
「…あれ?」
部室に入ると、見慣れない風景が広がっていた。
部室にいたのは…部活初日に先生のところに質問しに行っていた、結衣先輩一人だけだった。
「あっ…びっくりした? わたしが早く来てるから…」
失礼な話だけど、その通りという旨を伝える。すると結衣先輩は少しはにかんだ。
「今日は用事が特になかったから、早めに来たんだけど…ちょっと早すぎたみたい。わたし、時間音痴だから…」
…結衣先輩には、授業で分からない所を作らないで欲しい。苦笑いで願った。